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「原爆の父」オッペンハイマーの生涯につきまとう「因果応報」 キリアン・マーフィー演じる危うい科学者像

日本人にとっては、その名は忌まわしい。 映画「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)。「原爆の父」とも称される科学者オッペンハイマーの生涯を伝記をもとに描いた約3時間の長編作は、多くの映画賞を受賞するとともに、日本公開時には多くの議論を呼んだ。 どうしても、日本の観客は複雑な感情を抱かざるを得ない主人公を演じたのはキリアン・マーフィー。彼が銀幕で見せているのは、危うさと才能が同居する科学者の、因果づくしの人生だ。 映画は第二次世界大戦後「赤狩り」のさなかのJ・ロバート・オッペンハイマーへの査問会から始まり、何度も時系列を行き来する。若く意気軒高な科学者だった頃からソ連のスパイ疑惑を受けるまで、オッペンハイマー(以下、ロバート)の半生をキリアンが一貫して演じた。 学生時代のロバートは、才能はあれど不器用で危ういところがある学生として描かれる。モノローグのように映し出される火の粉や天体は、科学者の頭の中でどんな思考が展開されているかを象徴している。なのに一方で、からかわた腹いせに教授が机に置いていったリンゴに青酸カリを仕込む危うさも。このあたりは、原爆開発に突き進む彼の今後を暗示していよう。キリアンの端正な、しかし物憂げな瞳はこうした繊細さや危うさを体現してくれている。

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