<宇垣美里のときめくシネマ>「ミッドサマー」「ハッチング-孵化-」... 北欧発のホラーに価値観を大きく変えられる
#芸能 #韓流・海外スター #コラム 2024.6.28

何を怖いと感じるか、そこにはその人が育ってきた風習や文化、宗教が知らず知らずのうちに絡んでくるものだ。例えば日本のホラーは、生前の恨みつらみが凄まじい執着となって襲い来る幽霊や、「そういうもの」としてのべつ幕なしに祟りまくる怨霊など、目に見えない何かがじわじわと登場人物を追い詰めるものが多い印象。一方のハリウッドホラーだと、悪魔や怪物、ゾンビなどが物理的な攻撃を仕掛けてくるような、派手な効果音やグロテスクなシーンで否応なしに叫び声を上げてしまうスタイルが主流だろう(もちろん、どちらにも例外はたくさんある)。台湾・香港なら精神的にじわじわと追い詰められるようなもの、イタリアのホラーはスプラッターながらその画面に背徳的な美しさを感じられるなど、それぞれどうしたってお国柄が出るものだ。そんななか、最近注目を集めているのが北欧ホラーだ。