<岩井勇気の推しアニメ>室町時代に現れたロックバンド!?「犬王」からあふれ出す湯浅政明監督ならではのアニメーション的表現
#芸能 #タレント・芸人 #コラム 2024.6.13

様々なアニメ作品に精通しているハライチの岩井勇気さんが、「大人にこそ観てほしいアニメ作品」を紹介するこの企画。今回紹介する「犬王」(2021年)は、「夜は短し歩けよ乙女」(2017年)やTVアニメ「映像研には手を出すな!」などで知られる湯浅政明監督の作品。日本最古の芸能ともいわれる「能楽」をテーマに、室町時代に実在した能楽師・犬王と、琵琶法師の友魚(ともな)の友情を描くストーリーだ。湯浅監督作品のファンであるという岩井さんに、その作風の魅力や本作の面白さ、印象的だったシーンについて聞いた。 初めて「犬王」の予告編を観た際、湯浅政明監督の作品であることがわかった段階で「観よう」と即決しました。湯浅監督の作品は好きで、よくチェックしているんです。「マインド・ゲーム」(2004年)や「きみと、波にのれたら」(2019年)などは特に好きな作品です。 湯浅作品の魅力はなんといってもアニメーションの巧みさ。アニメーションならではの、いい意味での「ウソ」があるというか。例えば、人物が腕を振る動きを描こうとすると、その動作のなかで腕が少し伸びていたりするんですよ。それによって動きがよりダイナミックに見えて、アニメとして魅力的な仕上がりになっています。映像を止めてコマ送りにして見るとそれがよくわかって、いつも感心してしまいます。 キャラクターも、もちろんキャラクターデザインを担当するクリエイターさんによって造形は変わりますが、動きのつけ方が独特で。デッサンとして正しいとかキレイということ以上に、アニメという枠を超えた、一つのアートのような美しさを感じます。