花組・柚香光、華優希の進化した姿が見られる公演「はいからさんが通る」
#芸能 #俳優・女優 #俳優・女優 2024.2.29

2020年の花組大劇場公演「はいからさんが通る」は、花組の新トップスターとなった柚香光のお披露目公演であり、コロナ禍によって130日の間休演していた宝塚歌劇が再び幕を開けた公演でもある。 ご存知「はいからさんが通る」といえば大和和紀作の人気漫画だ。大正ロマンの香りの中で繰り広げられる、「はいからさん」こと花村紅緒と「少尉」こと伊集院忍の恋物語である。これをタカラヅカが舞台化した。タカラヅカ版は原作の全編をまとめ上げたような形になっており、1幕では親の決めた婚約に反発していた紅緒が婚約者の忍に心惹かれていく過程が、2幕ではシベリア出兵から思わぬ形で帰国した忍と紅緒の紆余曲折が描かれる。 実はこの作品、2017年に同じ柚香光・華優希のコンビで、大阪・シアター・ドラマシティと東京・日本青年館にて上演されている。今回はこれを宝塚大劇場・東京宝塚劇場バージョンにリメイクし、大劇場ならではの華やかな場面を増やしての上演となった。 少尉こと伊集院忍役を演じるのは、花組トップスターの柚香光。その端正な容貌と現代的な雰囲気に、漫画・アニメを原作とした作品がよく似合う。そのことは2019年に柚香が主演した「花より男子」ですでに証明済みだが、今回の伊集院忍もはまり役で、その軍服姿は漫画から抜け出てきたよう。紅緒を見守る目線はどこまでも優しく、思わずときめいてしまう。加えて今回は、忍が密かに抱える孤独も描かれ、紅緒が彼にとっていかにかけがえのない存在であったかも切実に伝わってくる。