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花組・柚香光、星風まどからによって生まれ変わった宝塚歌劇「うたかたの恋」('23年花組・東京・千秋楽)

「うたかたの恋」は、オーストリア・ハプスブルク家の皇太子ルドルフと、男爵令嬢マリー・ヴェッツェラとのマイヤーリンクでの心中事件を描いた物語である。原作はクロード・アネの小説。柴田侑宏が脚本を手がけ、1983年に初演された。以来、7度目の再演となる名作だ。今回の2023年花組版は新たな注目を集めた。なぜなら、往年の名作と称されてきた作品が、このたびの再演で新しく生まれ変わったからだ。 今回の再演はこれまでと違う点が大きく2つある。1つは、演出を担当する小柳奈穂子が「潤色」も手がけたこと、つまり柴田氏の脚本に手が加えられたことだ。そしてもう1つは、30年ぶりに再び宝塚大劇場・東京宝塚劇場(以下、大劇場)で上演されたことである。 幕開けでは、大劇場独自の舞台機構である「大階段」で向き合うルドルフとマリーにいきなり目を奪われる。また、プラーター公園や酒場に集うさまざまな人たちが「ウィーンの民衆」の存在感を感じさせる。全編通じて随所に、大劇場ならではの見せ方の工夫がなされている。
 
また、この作品の初演から現在までの間に、タカラヅカでは「エリザベート」(1996年初演)という同時代を描いた大ヒット作が生まれている。今や観客の多くが「エリザベート」に重ねてこの作品を見るであろうという状況も、考慮されているように思える。 悲劇の皇太子ルドルフを演じるのは、花組トップスターの柚香光。スタイリッシュな容姿やエレガントなダンスに定評のあるスターだが、繊細に作り込む芝居も魅力的だ。2020年にトップスターに就任して以来、人気漫画を舞台化した「はいからさんが通る」の伊集院忍、古代ローマ史を題材とした「アウグストゥス」のオクタヴィウス、「忠臣蔵」を新たな視点から描いた「元禄バロックロック」のクロノスケなど、多彩な役柄を演じてきた。

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