逮捕不可能?松坂桃李の怪演に沢尻エリカが体当たり演技で挑む!
#芸能 #俳優・女優 #俳優・女優 2023.11.10

犯罪を意図した行為でも、その実現が不可能であれば、罪に問われない。これを「不能犯」という―。松坂桃李主演、沢尻エリカ、新田真剣佑らが共演者に名を連ね2018年に公開した映画『不能犯』は、そんな不穏な文言から始まる。松坂が演じるのは、見つめるだけで相手を死に追いやることができる男・宇相吹正(うそぶきただし)。日々の暮らしで「あいつを殺したい」と殺意を抱いた人間が、街中にある電話ボックスに殺人依頼を貼り付けておくと、代わりに宇相吹がその相手を殺害する。 彼は「思い込み」や「マインドコントロール」を駆使して相手に暗示をかけて支配しているだけで、ターゲットは自ら死に導かれ自滅していく、というのが宇相吹の殺人のロジックだ。宇相吹自身は、ただ相手の前に立っていただけなので、法律的に彼の犯行を証明することはできず、罪に問うこともできない。そんな悪魔のような男を松坂が怪演している。 原作は同名人気コミックだが、本作の中畠義之プロデューサーが「原作の宇相吹のビジュアルを見た時、松坂桃李さんしか思い付かなかった」と語るほどのハマり役となった。松坂自身も、原作にあったコミカルな面は抑えめに、ダークなキャラクターを色濃く抽出する方向で役作りを行ったという。それだけに、まるで幽霊のようにヌーッと立つ姿や、ターゲットに対峙した時に見せる「ニマァ」と笑う表情などは出色。松坂が「人生でここまで口角を上げたことはない」と自負するその姿は、背筋が凍りそうな迫力がある。