「ガリレオ」シリーズ最新作「沈黙のパレード」で福山雅治、柴咲コウらが見せた"達人の技の応酬"のような感情表現
#芸能 #俳優・女優 #コラム 2023.7.17

福山雅治、柴咲コウが出演し、人気を博したドラマ「ガリレオ」シリーズ。同シリーズは、東野圭吾の連作推理小説ガリレオシリーズを原作としたもので、2007年に第1シーズン、2013年に第2シーズン(※ヒロインは吉高由里子)が放送されたほか、SPドラマや映画も製作されている人気シリーズだ。 なぜこれほどまでに人気なのか?それは超人気作家・東野圭吾の作品であることが挙げられる。同シリーズは女性刑事・内海薫(柴咲)の依頼を受けた物理学者・湯川学(福山)が、明晰な頭脳で事件のトリックを物理学の視点から解き明かし解決するというもので、理系大学出身でエンジニアとしての経験もある作家が生み出す一風変わったトリックに加え、軽快な筆致から生まれる速いテンポ感、ジェットコースターのような怒涛の展開、読者の予想を裏切るラストの大どんでん返しなど、魅力を挙げると枚挙にいとまがない。これらの魅力に加え、劇場版の2作は特に"人情"要素が色濃く描かれており、エンターテインメント作品として非の打ち所がないほどクオリティーの高いものになっている。 そして、同シリーズの人気の理由の2つ目でもあるが、福山、柴咲を始めとするキャスト陣がこの"人情"要素を素晴らしい演技で表現しているところこそ、観る者の心を掴んで離さない理由であるといえる。どれだけ素晴らしい作品でも、特に人の感情を描いている部分に関しては、役者が芝居でどれだけ原作に描かれている心情を表すことができるかが最重要課題であり、映像化の成功と失敗の分水嶺と言っても過言ではない。そんな中で、2022年に公開された劇場版最新作となる映画「沈黙のパレード」は、原作の魅了と役者陣の表現力が掛け合わされた素晴らしいエンターテインメント作品となっている。