あの時の痛みの意味を知るために...宇垣美里が『少年の君』『トムボーイ』で思春期の葛藤に触れる
#芸能 #韓流・海外スター #コラム 2024.7.1

私の心の真ん中には、セーラー服を着た17歳の頃の私がもうずっと長いこと鎮座している。一番強くて頑固で繊細で向こう見ずだった私は、大人になった私が見えない何かに尻込みして安全で不幸な道を選ぼうとすると即座にかかと落としを食らわせようとしてくるし、不安に駆られて踏み出すことを躊躇したら蔑んだ白い目で見てくるのだ。ひどい。でも、あの頃の私をがっかりさせたくない、そんな理由で道を選んで生きてきたら、思っていた以上に遠いところまで来ることができた。切り開いてきたこの道程は私の誇り。 大人の私は気を抜いたらすぐにつまらない方を選んでしまいがちで、追い詰められると心の中の17歳の声が聞こえなくなることもある。そんな時は映画の力を借りよう。スクリーンの中には、あの頃の私が抱えていた衝動がありありと描かれている。例えば、中国映画『少年の君』(2019年)には、狭苦しい学校という世界で己の無力さを痛感しながら生きていた、あの頃のヒリヒリとした痛みが。