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圧倒的な存在感と温もりが魅力の阿部寛!異なる2つの刑事役から卓越した演技力をひも解く

圧倒的な存在感と温もりを伴う絶対的な安心感。阿部寛はそこにいるだけで、そんな印象を観る者に与える。本人の人柄から来るものなのか、包容力を感じさせる大きな身体の印象から来るものなのかわからないが、その存在感と安心感は同年代の俳優の中でもトップクラスだし、硬軟多彩な多くの主演作で輝きを放っている活躍を見れば、映画界もそんな阿部のキャラクターに絶大な信頼を置いているのがよくわかる。 テレビドラマをバージョンアップさせた『トリック劇場版』シリーズ(2002~14年)で人気を爆発させると、その後は途切れることなく話題作に出演。中谷美紀とW主演した『自虐の詩』(2007年)、竹内結子とW主演の『チーム・バチスタの栄光』(2008年)などのエンターテインメント作品で注目を集める一方、実話をベースにした『バルトの楽園』(2006年)やタイ映画の『チョコレート・ファイター』(2008年)にも出演。さらに、『歩いても 歩いても』(2008年)、『奇跡』(2011年)、『海よりもまだ深く』(2016年)といった3本の是枝裕和監督の作品で、阿部は自然体の確かな演技を自分のものに。孤高の天才クライマー・羽生丈二を迫真の芝居で体現した『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016年)の彼に魅了された人も多いに違いない。 そんな阿部の現時点での代表作と当たり役を考えた時に、多くの人が『テルマエ・ロマエ』シリーズ(2012年、2014年)で演じたローマ人、ルシウス・モデストゥスと共に思い浮かべるのが、『麒麟の翼~劇場版・新参者~』(2012年)と『祈りの幕が下りる時』(2018年)で扮した刑事・加賀恭一郎だろう。 この2作は東野圭吾の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」を原作とした人気ドラマ「新参者」の劇場版で、阿部はその連続ドラマと2本のスペシャルドラマ「赤い指」、「眠りの森」でも加賀を演じていた。 『麒麟の翼~劇場版・新参者~』は、東京・日本橋にある麒麟像の前で、胸にナイフを刺された男性(中井貴一)の死体が発見されるところから始まる。映画はそこから被害者の長男(松坂桃李)、事件後の逃走劇の途中で事故死してしまう容疑者(三浦貴大)とその恋人(新垣結衣)、加賀と彼の病床の父(山﨑努)の物語が重層的に絡み合う複雑な展開を見せるが、本作でもほかのエピソード同様、加賀がどこで事件の真相に気づくのか?が、繊細な阿部の「気づき」の芝居と共に大きな見どころになっている。 と同時に、あの鋭い眼力で「殺されてもしかたのない人間なんていない。私はそう信じて刑事をしています」という阿部の力強いセリフにはこれまで同様の説得力があるし、彼とまだ20代前半の松坂桃李が繰り広げる演技バトルは何度観ても心揺さぶられる(ちなみに、阿部との直接的な芝居の絡みはないが、まだ子どもっぽさが残る山﨑賢人、菅田将暉も出演している)。

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