女性としても女優としても成熟を増す松井玲奈が映画「よだかの片想い」で魅せた実力派女優の証
#芸能 #俳優・女優 #コラム 2023.6.6

2015年までSKE48に所属し、アイドルとして活躍していた松井玲奈。現在では放送中の大河ドラマ「どうする家康」に出演するなど、押しも押されぬ女優として活躍中だ。 そんな松井のSKE48卒業後の女優としての歩みは、2016年に舞台「新・幕末純情伝」で主人公・沖田総司を演じ、2018年にはドラマ「海月姫」でアフロヘアの鉄道オタク・ばんばを熱演。さらに同年、映画「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」での敵役のブラッド族が擬態している女性・才賀涼香役、2019年にはドラマ「都立水商!~令和~」での元カリスマキャバ嬢の教師役など、出演作を挙げると枚挙にいとまがないのだが、演じてきた役は比較的クセのある役柄が多く"カメレオン女優"であることがよく分かる。 思えば、SKE48時代の初出演ドラマ「マジすか学園」で"ゲキカラ"というサイコパス風の突飛なキャラクターを演じ切った頃から片鱗を覗かせていたのだが、クセのあるキャラクターを演じさせれば右に出る者はいないほどなのだ。そんな中で、濃いキャラクターを演じるのがうまいというのは、一方で心の機微を丁寧に描く役は苦手なのかと思いきや、単独初主演を務めた映画「幕が下りたら会いましょう」では、妹の死をきっかけにさまざまな人と出会うことで成長する主人公を細やかに瑞々しく演じ上げ、力強い変化球だけでなく緩急が効いた直球の芝居もできる実力派であることを証明してみせた。そんな彼女の変化球と直球の両方の芝居が堪能できるのが2022年の映画「よだかの片想い」だ。