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独創的な世界観で観る者を圧倒する平成生まれの才人、グザヴィエ・ドランに勇気をもらう

まるでどの瞬間にメスを入れてもぽろぽろと心の欠片が溢れてきそうなほどに、彼自身が詰まっている。グザヴィエ・ドランの作品はまるで彼そのもの。観る度にその独創的な世界観に酔いしれ、私小説的な生々しさや泥臭いまでの自己開示にただただ圧倒されてしまう。どんな巨匠かと思えば、ドランは平成元年生まれ...若い! 顕著なのは初監督作であり、脚本・主演も務めた『マイ・マザー』(2009年)。カナダのケベック州で暮らす17歳の少年・ユベール(ドラン)が2人暮らしの母との関係に苦悩し、愛しながらも憎しみすら抱いてしまう心の葛藤を描いた半自伝的な物語となっている。19歳の時に撮ったその作品はカンヌ国際映画祭の監督週間部門に選出され、一躍その名を世界に轟かせた。

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