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青春ドラマから時代物、胸アツのヒューマンストーリーまで...進化が止まらない松山ケンイチにいま、注目したい理由

松山ケンイチの進化が止まらない。「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」。そんなセンセーショナルな設定で一大ブームを巻き起こした人気コミックの映画化『DEATH NOTE デスノート』(2006年)で独特なフォルムと言動の名探偵Lを体現しブレイクすると、『神童』(2006年)、『デトロイト・メタル・シティ』(2008年)、『カムイ外伝』(2009年)、『ノルウェイの森』(2010年)などの話題作で次々に主演を張り、何者にでもなれる「カメレオン俳優」「憑依型俳優」と呼ばれるまでに躍進。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」ではNHKに自ら打診してタイトルロールの主人公役を手に入れ、全身全霊で挑んだこの清盛役で圧倒的な存在感と観る者の心を揺さぶる演技力を見せつけた。 そこまでが第1章だとすると、どこか尖がっていて他者を寄せつけないピリピリしたところもあった松山にゆとりにも近い穏やかさと器の大きさが伴うようになったのが第2章だ。これはあくまでも個人的な感想だが、芝居を楽しむ余裕が少しずつ見え隠れし、それが役にも反映され始めたような気がする。 それこそ、2016年の『聖の青春』では体重を20kg増量する肉体改造で29歳の若さで亡くなった天才棋士・村山聖に見た目からなりきり、続く『ユリゴコロ』(2017年)では増量した体重を元に戻し、さらに10kg減量して過去に犯した罪から逃れられない男・洋介に。後者では洋介が眠れない設定だったため、撮影中は毎晩ゲームをしながら気絶するまで起きていて、筆者がインタビューした時には「(限られた期間の)非日常だから(そういうアプローチも)楽しめるんですよ」と語っていたものだ。 そんな松山の芝居がある一つの境地に達したのが、2021年公開の『BLUE/ブルー』で演じた瓜田信人役だ。瓜田は人一倍真面目で努力を重ねながらもまったく勝てず、一回り近く年が離れた後輩にもバカにされるプロボクサー。それでもボクシングを辞められず、身体が動いてしまう彼の切実な、狂おしい「生」を松山は全身で表現していたが、それはもはや芝居の域を超えたもの。そのスゴさを伝えるのに相応しい的確なワードも見当たらなかった。

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